貧相アブ衛門の嘆き596
2018年6月16日(土)
何とか、新しい住処へ・・・(とりあえず)
このところ、たださえ悪い体調が、アホほど悪いのです。やばいよ、やばいよ。
すかあああす、かなり無理をして、鳥取県米子市に、中古で買ったマンションに行くことにしました。不動産屋さんからは「いつ、鍵をとりに来られますか?」なんてなことを再三言われておりましたからね。「さすがに、そろそろ行かないとまずいよねぇ。」
ついでと言っては何ですが「引っ越し業者さん」に運んで貰うのには不安がある精密機器を、自家用車に乗せて運びました。今回は、高橋のNJP-T2赤道儀と、TOA130S鏡筒、EM-200 Temma 2Z赤道儀、スカイウォッチャーの18cmマクストーフカセグレン鏡筒何ぞです。しかし、まあ、重たいですねぇ。ホンマに重たい。ジジイを殺す気か?
この日は、梅雨の晴れ間と言うのか、実に透明度の良い快晴でした。ちょっと風が強いですけどねぇ。つーか、強すぎんだろうがよぉー。
これは、蒜山SAで撮ったものです。快晴でしたが、大山(だいせん)の上の方はガスがかかっておりました。風が強いうえ、半袖では寒い気温でした。
予告していた午後3時からは、10分程度遅刻して、不動産さんに着きました。早速、鍵を貰うと、衝動買い?した「中古のマンション」に行きました。オートロック付きの物件なのですが、聞いていたナンバーを入れても開きません。「あれー?おっかしいな。」実に焦りましたが、何故か突然開きました。なしてかな?(後で、不動産屋さんに電話をかけて聞いてみると、ナンバーの前にあるボタンを押さないと駄目だったのですよ。最初に開いたのが奇跡だったのでしょうねぇ。)まあ、アホ衛門は、スーパーアホ衛門に進化したのですわ。めでたいねぇ。
私のマンションは、結構高層階なので、ここへ重い荷物を運ぶのは、結構往生こきます。勿論、エレベーターはあるのですが・・・また、腹具合がとても悪く、マンションに着いた途端、下痢便を放出。ああ、危なかったねぇ。
初めてここへ来た時は、天候の問題もあったのですが、景色は詳細は覚えておりません。(ジジイぢゃ。)しかし、今日見ると、実に眺めが良い場所でした。鳥取県の名峰である大山(だいせん)も、実に綺麗に見えます。にしてもアホほど風がキツいです。この強風は、たまたまでしょうが、とにかくドエラい風でした。ドアを開けるのにも一苦労しますし、また、締める時は、バターン!!とドエライ音がします。
小さい窓を開けると、おお、大山がドーンと見えています。美しい。
さて、ベランダの「段差」の問題なのですが、EM200 Temma 2Z用のメタル三脚は縮めるとそのままでも使えそうです。更に、ある程度伸ばした状態の方が使いやすいのですが、伸縮性のある2段式三脚なので、三脚の1本の長さをうまく調整すれば、ちゃんと使えそうです。
こうして、三脚の1本を伸ばせば、ちゃんと望遠鏡をセット出来そうです。しかし、この段差は一体何なんだろうか?高い部分に配管が通っているのだろうか?足で踏んづけてみると、強度は結構あるようなのですが。
最初に見た時には、完全リフォームされていたと思っていたのですが、畳の一部は、結構日焼けしている感じでした。まあ、この金額で、この物件が買えたのは超ラッキーですので、あまり気になりませんでしたが・・・
その後、体調がアホほど悪い中、折角の梅雨の合間の快晴なのだからと、大山(だいせん)に向かいました。「博労座」にある「県営大山大駐車場」に車を停めました。
大昔の記憶を思い起こすと、母親に連れられて、初めて行ったスキー場がこの場所だったと思います。あの当時とは、かなり姿が変わっていますけどね。こんなちっぽけで、緩斜面のスキー場でしたが、当時は、結構恐く感じましたよね。
この駐車場では、舗装してある駐車場のでは、三脚にカメラに固定している「おばちゃん?」がいました。カシャッ、カシャッと連続したシャッター音が聞こえてきます。そこで、「タイムラプス」ですか?と聞くと、一言「そうです。」と。 あらま、何ちゅーそっけない返事。その後、直ぐに車でどっかに行かれてしまいました。
駐車場の坂を登ると、弓ヶ浜辺りの日本海と、月と、あかね色の夕陽が見えた。ああ、美しい。
その後、体調が悪い中、折角のチャンスだからと「金門」に行ってきました。ここは、大山北壁が実に綺麗に見えるんですよねぇ。しかし、上り坂が実にしんどかった。いつもしんどく感じるのですが、今回は、半端なくしんどかったですよ。
思い起こすと、1979年の夏「タチゲ」が登山中に怪我をして、協力者の「バク」と夕方にこの場所に行って同じ風景を見ていました。
また、1981年3月には、大雪のせいで、腰まで埋まってラッセルして、夜明け前に来たことを思い出しました。クソ寒いはずなのに、大汗をかいていました。その時、見たのは分厚く雪化粧した大山北壁の上に昇る「さそり座」でした。あれは美しかったなぁ。そこには、ヤマト同心の「タチゲ」がいました。
これが、1981年3月の「金門」から見た大山北壁に昇る「さそり座」だ。
1981年3月、「金門」に行く前に立ち寄ったお寺。多いところでは3mをゆうに越える雪が積もっていましたよ。
タチゲは1979年の大山縦走で、怪我を負っていたので、家族から登山を大反対されていたと思っていたのに、彼はそこにいてくれたのです。ありがたやー。
と、撮影の準備をしていると、河原の方から人がやって来ました。ジッツォのトラベラーなる三脚に、ビクセンの「ポラリエ」、そしてソニーのデジイチを使って撮影をされていました。河原からですと、北極星がちゃんと見えるのですが、この場所からだと北極星は見えません。ま、この場所からのロケーションも良かったのでしょう。彼は、ポラリエの方位磁石と高度微動装置で「なんちゃって極軸セッティング」をされていました。この方法ですと、いくら広角レンズとは言え、それほど歩留まりは高くないようです。
私と言えば、NikonのD810のドノーマルデジイチと、同じくNikonの28〜300mmズームレンズ、そして、K-ASTECのGF50なるポタ赤しか持っていませんでした。(Cooled 6Dも車には入れていたのですが、Canonのレンズを持ってきていなかったので、諦めて車の中に置いてきたのです。このカメラにニコンマウントのレンズをマウントアダプターを使って取り付けるとピントが出ないのです。とほほ。)・・・と、タイマー付きリモコンが見当たらないのです。(用意していたのですが、結局、車の中に置き忘れていたのです。おほほ。アホぢゃー!)その結果、30秒までの固定撮影しか出来ません。泣けるのぉ!!
ところで、その方は、私よりは若そうでしたが、老眼で天体写真を撮るのは結構大変だと言っておられまた。そこには、とっても共感しました。瞳孔が開く夜間は特に老眼の弊害がひどいんですよ。若い方には、理解出来ないでしょうけどねぇ。
まだ、薄明が少し残っている時に、撮影すると空は真っ青に写ります。その後、天文薄明が終わると、そこそこまともな色になってきました。
まだ薄明が少し残っている時間帯の「北壁と星達」バックが碧く写りますねぇ。
薄明が終わると、空はノーマルな色になってきます。しかし、30秒の固定撮影しか出来ないのがあああ・・・余談ですが、画面右側の手前にに岩があるのですが、イモトアヤコさんが、エベレスト登山だったかの前の、トレーニングに、ここでロッククライミングの練習をされていました。
博労座の駐車場に戻ってから撮った写真。大山北壁と星が美しいのですが、ライトがチトまぶしすぎるだろうが・・・
その後、体調不良をおして、思い出の土地「鏡ヶ成(かがみがなる)」に行ってきました。
その途中、大山南壁が綺麗に見える「鍵掛峠」に寄ろうとしたのですが、工事中のうえ、人がおられませたので素通りしました。常時煌々と明かりが付いているトイレは、今はどうなっているのでしょうか?パット見た目には、灯りは見えなかったのですが・・・かつては、この鍵掛峠も、天体写真の格好の場所だったですけどね。何と言っても大山南壁がドーンと見える場所ですからねぇ。
鏡ヶ成に着いた時は、そこそこの時間帯だったので、いつしか名前を変えた「休暇村 奥大山」なる建物から漏れる光も大分軽減されていました。また、鏡ヶ成全体を照らす水銀灯?もおとなしめになっている様に感じました。
まずは、駐車場から鏡ヶ成と烏ヶ山、そして星空を撮ってみました。実際に撮ってみると、一番ひどい時よりはマシですが、結構光害がありますね。
着いた時間帯が遅かったせいなのか、無駄な灯りをつけるのを止めたのか、以前のひどい光害からは、多少良くなっていました。
私が、高校時代だったか、大学に入った頃なのか「天文ガイド」なる雑誌にこの場所が紹介されていました。その文章には「神戸大学天文研をして、恐怖心を覚える異様な星空と言わしめた。」とか書かれていました。確かに、初めてここの星空を見た時の衝撃は、今でもはっきり覚えています。
南の方を見ると、擬宝珠山(ぎぼしやま)からさそり座が登り始めていました。
てなことで、光害の影響が少なくなる「鏡ヶ成湿原の木道」に移動しました。勿論、だーれもいません。何やら何かの動物がガサゴソと近づいて来るのが結構恐かったですね。カメラは先ほども書きましたが、ドノーマルのNikon D810と、ジッツォの軽量カーボ三脚、K-ASTECのGF50なるポタ赤です。湿度が異常に高いので、アストロアーツから購入した紐状のヒーターも装着しておきました。その後、湿原のせいか、猛烈な霧に襲われました。もう諦めて退散です。
K-ASTECのGF50と言うポタ赤に、NikonのドノーマルのD810、28mm〜300mmの望遠レンズの28mmで撮りました。ISO400の240秒露出です。ステライメージVer.7とPhotoshopCS6で画像処理しました。
いて座付近の銀河です。ちと構図が悪いですねぇ。しかし、星を撮るのなら、空が暗い場所で撮らないと駄目だなって改めて思いました。ISO800の300秒露出。ステライメージVer.7とPhotoshopCS6で処理しました。
鏡ヶ成(かがみがなる)湿原の木道から撮ったもの。以前のことですが、8月に来た時に、小さな蛍が何匹か飛んでいました。通常の標高ならば、蛍の最盛期は6月なので、もしかしたら蛍の大乱舞が見られるのかと思っていました。しかし、まるで飛んでいませんでした。時間帯が遅かったこともあるのでしょうか?尚、この後、直ぐに濃霧に覆われました。ちなみに、鏡ヶ成(かがみがなる)の標高は930mです。蛍が飛ぶにはまだ少し寒いのかも知れません。
駐車場に戻ると、後から車で来た人が、天体写真を撮っていました。
そのまま、帰途に向かいまして、午前3時半頃帰宅しました。実にしんどかったけど、良い経験を致しました。めでたし、めでたし。