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星空の園(現在は光害に没した場所もあります。)


 

鳥取県大山の鏡ヶ成
 

鏡ヶ成湿原で撮った烏ヶ山、星、蛍。(2008年)この場所まで来ると、結構綺麗な星空を見ることが出来る。

鏡ヶ成からは烏ヶ山が実に綺麗に見える。山頂は割ととがった姿に見える。しかし、本当は、山頂付近は、烏のクチバシのような格好をしている。この真後ろに本当の山頂がある。

象山山頂から撮った烏ヶ山。ここからだと烏のクチバシのような姿が分かる。後ろの方が山頂となる。

これは2008年に湿原から撮ったもの。この場所なら何とか星空が撮れる。

 

 鳥取県の名峰大山(だいせん)の岡山県境側に位置するのが、鏡ヶ成(かがみがなる)です。山の中にあって突然、鏡の様に平坦な場所があることからそう名付けられたと聞いています。標高は930m。家族向けのスキー場、オートキャンプ場もあります。以前の鏡ヶ成高原は、カヤのような草が生えている草原でした。しかし、土は大山特有の真っ黒なもので、すぐに服や靴が汚れてしまうものでした。いつだったでしょうか、重機が入れられ、その土は、掘り起こされ、新たに汚れにくい土が入れられました。更に、人工的に芝が植えられました。(出雲方式とかいう植え方かも。)確かに快適にはなりましたが、これで本当に良かったのかどのなのか・・・
 かつは、ものすごい星空の園でした。神戸大学天文研をして、恐怖心すら感じる異様な星空と言わしめた恐怖の星空でした。(天文ガイドという雑誌に記載)しかし、私が大学2年頃だった思いますが、ライトがついてしまいました。その後、ライトの数は増え、かつての星空の園の姿は消えました。
 私が大学1年生のまでの、ここの星空は本当にすごかったですねぇ。(1977年か)低空でも一切減光されずに輝く星達。そのすごい星達を背後に控え、くっきりと浮かび上がる烏ヶ山(からすがせん)のシルエット。そして、怪鳥ヌエの鳴き声。「ピー、ピー!」それは、初めがそれほど高くなく、二度目が1オクターブ高いというもの。あれは、本当に怖かったですねぇ。夏場でも時にはとても寒くなることがあります。1977年7月は特別寒かったです。ああ、昔の星空をもう一度見てみたい。あの感動をもう一度。
 今でも、光害を避け、鏡ヶ成湿原の方に行けば、ある程度の星空を見ることが出来ますよ。写真は、その鏡ヶ成湿原の木道で撮ったものです。



 

鳥取県の大山山頂
 

金門から撮った大山北壁と星達。月明かりが適度にあると山肌と星空を一緒に撮影出来る。(ありゃ、大山山頂とはちゃいまんがなぁ。)

1981年3月すっぽり雪におおわれた小屋の中で。寒さに備えて、小屋の中にテントを張りました。

大山の縦走路はもろくて細い。縦走は禁止となっています。近年ここを縦走したビデオがYouTubeにアップされていますが、普通の人が縦走しようもなら絶対に死にます。

https://www.youtube.com/watch?v=ICd1_q5WZk4 など

これは、豪円山スキー場から大山北壁に昇る蠍座を撮ったもの。1981年。月明かりに照らされて、違う世界に迷い込んだ感覚になりました。(これも、大山山頂とはちゃいますがなぁ。)

恐らく1980年12月初めの写真。(多分)突如結構な冬型になった。観測機材をとりに長崎県の佐世保から原チャリを走らせて、島根県の松江市まで。(片道550km)翌日は快晴となった。その足で、無謀にも積雪のある大山を登った。積雪はせいぜい50cmであったが、9合目から天候は急変。初めてブロッケンの妖怪を見た。山小屋の中に入ったが、寒さは和らぐことはなかった。午後3時過ぎの小屋の温度はマイナス5℃。トイレでは、水蒸気が凍ってキラキラと輝いていた。寒さをしのぐために、小屋の中でテントを張る。結局、軽い凍傷を負うことになった。足の指先が黒紫になり、針で刺してもあまり痛くないのだ。風呂に入ると患部が痛い。積雪時は、よほどの用意と、引き返す勇気も必要だ。

これは、1981年3月のもの。晴れ上がった大山山頂。夜は星が見えていたが、ブリザード状態。しかし、寝転ぶと星が見えるという不思議な体験をしました。

縦走路をちろっと歩くアブ衛門。だって、これ以上歩くと、死にますからねぇ。
 
 
 鳥取県の名峰大山。その形から伯耆富士(ほうきふじ)とも呼ばれています。標高は1.729mです。(1.711mとのデータもある。)今は活動している形跡がまるでありませんが、一応火山です。従って、岩は非常にもろい軽石の様相をなしています。以前は、学生の集団登山などが多かったせいもあり、頂上付近の荒れ方がひどく、ついには、木道がひかれ、そこ以外は歩いてはいけなくなりました。山頂小屋は、昔はかなりちょぼいものでしたが、今の小屋は新しくなっております。但し、無人小屋です。ここに泊まる人はかなり少ないのです。登山ルートはいくつかありますが、「夏山登山道」が一般的です。
 日本海側の独立峰なので、冬場は結構危険な山になります。今でこそ温暖化のため積雪は少なくなってきましたが、私が子供の頃には表大山のスキー場では2m越えの積雪が当たり前。上記の鏡ヶ成では4m近くの積雪がありました。
 1979年7月にタチゲとバクと3人と登った時の話です。あたりが暗くなった頃、タチゲが「あっ、蛍だ。」と。「おーい、そんなことあるか!」と思ったのですが、本当に山頂は蛍が大乱舞しておりました。南側の沢を見ると、蛍の放つ無数の光の群れがじわじわと登ってきているのが見え、それは神秘的等という表現を通り越して、ただただ恐怖心を抱いたものです。
 1981年の3月には3m以上の残雪の中を登りました。山頂では不思議な体験をしました。立っているとブリザード。寝転ぶととても静かで星空が見えているのです。地表から1m50cmあたりが風の流れ道になっていたのです。
 星空は、そこそこ良いのですが、そこは独立峰の宿命。近くの米子市などの町の光が入ってきます。
 大山山頂で撮った良い写真があまり残っていなかったので、ゆるちてたもーれ。



 

島根県の三瓶山(さんべさん)

 

気温があがりだいぶ雪が溶けてきた室の池付近。まあ、とにかく寒かったですねぇ。

猛烈に寒かった。しかし、この時の星空は、これまで見てきた中で一番だったかも。(写真はタチゲ)
 
 三瓶山(さんべさん)は島根県のほぼ中央部、大田市・飯南町にまたがりそびえる大山火山帯に属する火山です。三瓶山は主峰・男三瓶(1126m)をはじめ、女三瓶(957m)、子三瓶(961m)、孫三瓶(907m)などの峰が室の内と呼ばれる火口を囲んで環状に配列していています。言ってみれば、小さな外輪山です。室の内火口には室の内池と呼ばれる火口湖があります。
 学校の行事でここでキャンプする予定だったのですが、悪天候で急遽中止に。意外に行っていない場所でした。
 1980年3月に、タチゲと星見登山を敢行しました。初めは、春、次に初冬、次に厳冬と言った大きな気候の変化がありました。天候のこともあり、夕方から室ノ内に向けて出発。途中からは50cmほどの残雪が行く手を遮りました。そして、雪も降ってきました。室ノ内に着いた時、目印の室の池がありません。翌日気がついたのですが、池の大半が凍り、その上に雪が積もっていたので分からなかったのです。
 翌日、奇跡的に晴れて、それはすごい星空になりました。もともと人口が少ない場所でありますが、外輪山がわずかな光害を完全にシャットアウトしてくれるのです。しかし、雪が積もっていて音を吸収していたのでしょうか、まるで無音の世界でした。意味もなくタチゲに大声で話しかけます。遠くで落石の音が聞こえると、ホッとするのです。無音の世界というものがこれほど恐ろしいものだとは。この時は恐らく条件がものすごく揃っていたのでしょう。タチゲの写した写真は、星、星、星、星だらけでした。今でも、あるいは、春や夏場にこれほどの星空が見られるかは疑問です。また、室ノ内にはイバラが沢山生えており、とても痛い思いもしました。積雪時でこれだけ痛かったので、夏場などはここへ入れるでしょうか?
 ちなみに、この室の池付近で2泊テントで過ごしましたが、遠くにわずかに人が通った跡があるだけでした。遭難してもしばらく気がつかれなかったかも。



 

奥上高地 徳沢

 

いて座付近の銀河を撮ってみました。10分露出を2枚コンポジット。小さな雲がポツポツ出てきて撮影には苦労しました。

明神岳と前穂高岳をバックに北斗七星ならぬ北斗六星を撮ってみました。北斗七星ではありましぇん。とほほ。

これはFuji S5 Proで撮った白鳥座付近の銀河。結構好きな写真になりました。

2007年に撮った徳沢キャンプ場。下は平らで草原になっている。木々が成長してきたため、明神岳、前穂高岳は、キャンプ場の奥の方でないと見られなくなってしまっている。

私は、こんな場所で撮影をしています。梓川からモヤが出ますので、撮影には、カイロなどが必需品となります。
 
 
 徳沢(とくさわ)は長野県松本市内の地区名で、上高地地域に含まれます。昭和初期までは牧場が開かれていたため、周辺は開けた草原となっています。この草原に徳沢ロッジ及びテント場、徳沢園が存在します。テント泊も快適です。特に徳沢園は蝶ヶ岳への登山口となっており、休憩施設や売店などが整備されていて登山シーズンは賑わいをみせています。(ウィキペディアからのパクリ。)ちなみに、標高は1.500m少々あります。
 まず、上高地に入る方法ですが、松本などからバスで行く方法、新島々駅からバスで行く方法などがあります。私の場合、車で途中の沢渡(さわんど)まで行きます。上高地にはマイカーは入れませんので。そこからタクシーを使って上高地バスターミナルに入ります。徳沢はそこから約7kmの歩きとなります。あまり、登りはありませんので、荷物が少なければ散策感覚で歩けます。前述のように昔牧場だったため、平らな草原になっており、テントでも割と快適に過ごせます。水場もありますし、簡易水洗のトイレもあります。徳沢園で飲み物なども買えますし、食事も出来ます。また、徳沢ロッジでは風呂にも入れます。
 
 展望のきく場所は、梓川河畔しかないようです。前穂高岳と明神岳の威容を見ながら、星を撮ることが出来ます。徳沢園や徳沢ロッジの光も深夜になると真っ暗になるので、殆ど光害がなくなります。(灯りがついていてもあまり気にはなりませんが。)但し、梓川から発生する水蒸気が多いので、カメラレンズの結露対策は十分にしておかなければなりません。
 私は、いつも小熊座の5等星を見て、どれくらい星が見えているか判断するのですが、どうかすると7等星が見えているのではないかと思うほどです。現在でも素晴らしい星空見えている数少ない場所です。



 

蝶ヶ岳

 

穂高連峰や槍ヶ岳といった北アルプスの名峰がシルエットになってくれる。

蝶ヶ岳ヒュッテは登山客で一杯。撮影を考えるならはやりテント泊が必要です。

きれいやのぉー。ヒュッテに泊まれば、多くの人と交流が出来るのでしょうが、星の撮影がメインの私には叶わぬ夢です。

2009年に撮ったものです。蝶ヶ岳ヒュッテと常念岳、そして、北斗七星が写っています。

2007年に撮ったもの。ここでよく星空を撮っていました。穂高連峰から槍ヶ岳が綺麗です。
 
 蝶ヶ岳(ちょうがたけ)は、飛騨山脈(北アルプス)にある標高2,677mの山です。常念山脈の稜線上、常念岳の南に位置します。5月下旬から6月上旬頃に、蝶ヶ岳山直下南側の稜線付近に白い羽根のチョウの雪形が現れます。安曇野(安曇野市豊科付近)から見えるこの雪形を農耕の目安としていました。山名の由来はこの雪形に由来しています。(ウィキペディアからのパクリ。)
 1978年に初めて登ってから、1993年、1997年、1999年、2001年、2002年、2003年、2004年、2005年、2006年、2007年、2008年、2009年と13回登っています。2010年、2011年、2012年、2013年は、体調を崩して登山できていません。ルートは、三股ルート、横尾ルート、長塀山ルートがあります。徳沢で楽しんでから登るとなると、長塀山ルートをとらざるを得ませんが、このルートは相当にきついです。軽装の人ならそれほどでもないでしょうが、私のように撮影機材を持って登るとなるとまさに地獄です。三股ルートは最短ルートです。今では三股に立派な駐車場もありますので、登山だけならこのルートもありです。横尾ルートは、相当な急斜面の登山となります。長塀山ルートよりは距離は短いようです。
 アマチュア天文家の藤井旭氏の登山記事を見て、この山を登るようになったのですが、まさに穂高連峰から槍ヶ岳の遠望は圧巻です。また、北アルプスにしては女性的ななだらかな山容で、撮影にはもってこいです。但し、ガスが出ると逆に危ないかも。
 夜、快晴となると、町の光が逆に邪魔になります。むしろ、空は快晴。麓は雲海に覆われていると素晴らしい星空が見られます。西の空が明るいのは何故なんでしょうか?藤井旭氏が登っていた1975年11月当時も同じことが書いてありますから、どこかの町の灯りなのでしょうか?高山とか、飛騨とか?
 縦走する人が多いので、私の様に同じ山で何泊もテントにいる人は珍しいと思います。ましてや、晴れていれば夜中中起きているわけですから。山の朝は早く、薄暗い内から食事をしたりテントを片付ける人が殆どです。昨今、地球温暖化の影響でかなり暖かい日も多くなりましたが、どうかすると8月であっても、5℃近くに冷え込むこともあります。また、風も台風並みのこともありますので注意が必要です。
 



 

野辺山高原

野辺山45m電波望遠鏡と八ヶ岳。ガイド撮影ですので、風景が少し流れています。

2008年に対角魚眼レンズを使って固定撮影で撮った電波望遠鏡、八ヶ岳と星達。
 
 野辺山高原(のべやまこうげん)は日本・本州の中央部、八ヶ岳東麓の裾野、秩父山地の西端にある高原です。長野県南佐久郡南牧村に属し、主に野辺山駅周辺の地域を言います。東隣の川上村を含むこともあります。スキー場や観光牧場など各種レジャー施設があります。JR小海線の野辺山駅は、JRの駅で最も標高の高い所にあります(海抜1,345.67m)。JRの線路で最も標高の高い地点も野辺山高原にあります。(海抜1,375m)。電波天文学の国際的な拠点の一つである国立天文台野辺山宇宙電波観測所・太陽電波観測所が置かれており、直径45mの電波望遠鏡をはじめ各種のパラボラアンテナが高原の風景の中に立ち並んでいます。(ウィキペディアからのパクリ。)
 かつては、関東エリアの天文ファンがこぞってやってくる場所でした。また、隣の山梨県清里(きよさと)も同様でした。しかし、その後、光害が増えてかつてほどの鮮烈な星空は姿を消したようにも思います。また、観光地としての賑わいも、野辺山、清里ともかつてほどのものではありません。
 私は、東京時代、小淵沢インターから少し登った、「観音平」に何度か来たことがあります。
 冬場は、ナイター施設のあるスキー場の光が強烈です。これは、スキーや観光で生活する人には必要なもの。でも、天文屋には何とかしてもらいたい問題ですよねぇ。
 
 野辺山には、私がよく行く民宿「こっつぁんち」があります。折角晴れていても、飲んだくれていますので、意外に写真を撮っていません。おほほ。