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  • 「Siril」と言うフリーの天体写真画像処理アプリ

 
 天体写真専用の画像処理アプリがあります。これは、リニアの段階で処理するものです。言ってみれば、もともと天体にはない光害などを除去する、画像復元を目的とするものです。
 しかし、残念な事に、天体写真専用の画像処理アプリだけでは見栄映えが良くありませんので、そこは、Photoshopなどのレタッチアプリが必要になります。
 
 天体写真専用の画像処理アプリは、いくつか存在します。今回、書いているのはその一部だけです。
 
 まだ、それほど歴史はありませんが、とても優秀な、フランクリンさんが作られたフリーの「Seti Astro Suite Pro」 と言うものがあります。日本語表記に出来ますが、機能は略しきれないので英語になっています。人工衛星の光跡を消す機能もあるようです。
 フランクリンさんの、アップデートの頻回は凄まじいです。ふと気がついたら新しいバージョンがアップされていることもしばしばです。同じフランクリンさんが作成された「CosmicClarity」を使うと、像をシャープにしたり、ノイズを軽減したりすることが出来ます。
 Mac版もアップされていますが、こちらは、いろいろなアプリとの連携の仕方が未だ分かっていません。恐らく「ターミナル」にそれ相応の「コマンド」を打ち込まないとダメの様な気がしますが、そのコマンドが分かりません。
 画面の大きなMacで使用出来たら良いと思っていましたが、Mac版の方での使用はほぼ諦めている状況です。
 「よなご星の会」のTOさんが、このアプリを使って画像処理をされています。ですが、スタッキングは、速度の速い「Siril」をお使いのようです。
 
 アストロアーツ社から販売されている「ステライメージ10」は、日本では有名なアプリです。ですが、こちらは、有償です。日本人が開発されているので、日本語表記で分かりやすいです。Ver.9から速度が速くなりました。それ以前のバージョンは、あまりにも動作が遅くて、こりゃ、使えんわ、って思っていました。
 Ver.10からは、アプラナートさん考案の、新たなノイズ除去手法や、階調・カラーの情報を最大限に引き出す強力な新機能を搭載しています。
 これは、私がこれまでメインで使っていたアプリです。自動処理モード・詳細編集モードがあるのも助かります。自動処理モードで、ライト、ダーク、フラットフレーム等のデータを放り込んで処理してから、後は詳細編集モードで仕上げるのが一般的な使い方ではないでしょうか?
 使いやすいのですが、不満点もあります。「デジタル現像」と言う優秀な機能がありますが、これは、冷却CCDカメラ時代に岡野氏が開発されたものです。明るく飽和したところが抑えられるのですが、数式的にも明るい星が少し暗くなり、全体が眠たくなるイメージがあります。
 また、周辺減光軽減機能や色カブリ補正の機能がありますが、これが、全然思った通りに補正してくれないのです。
 正直なところ、持っている機能のほんの一部しか使えていないのが本音です。うー、毎回、同じやんけー!!
 
今ではスペイン発祥の「PixInght(ピックスインサイト)」が、とても多機能のうえ優秀なので、このアプリを使われる人が多くなってきました。使い方が、他のアプリとは異なることと、あまりにも多機能のため、慣れるまでは大変のような気がします。
 価格は300ユーロでPayPALで支払う様です。よなご星の会のFさんが使いこなされています。
 
 「PixInght」とセットで疲れるケースが多いのが、この「RC ASTRO」のアプリです。特に「BlurXTerminator」は、収差でイビツになった星像まで補正してくれるという魔法のアプリです。何でも、AIではなく、優秀なデコンボリューション処理で補正している様です。
 「RC ASTRO」のアプリは、上記の他にもありますが、恐らくこの3つあれば事足りると思われます。円安が進んでおり、2026年3月14日時点で「PixInght」とこの3つのアプリを合わせると、9万円を超えてしまいます。
 これらのアプリは天体写真専用なので、別途レタッチアプリが必要になります。そこで、高いサブスクのPhotoshopから、基本無料で使えるようになった
「Affinity by Canva」に乗り換えている人も多いとか。
 
 2026年1月から、少しずつ使い始めたのが、フランス発祥のフリーの天体写真画像処理アプリ「Siri(シリル)」です。
 
2026年3月14時点での最新バージョンは1.4.2です。
 
 人に寄っては、機能限定版の「PixInght」のジェネリック商品と言う人もおられます。これも、日本語表記に出来ます。しかし、一部の機能は略しきれないので英語表記になっています。また、Pythonスクリプトを使用して、Sirilだけでは出来ない処理も出来ます。しかし、これも、Mac版ですと「CosmicClarity」と連携が未だ出来ていません。
 
「Siril」では、作業フォルダに上記のフォルダを作っておく必要があります。例えばバイアスフレームがなくても、スクリプトを選べば動いてくれます。ですが、折角ですから、全部のフレームを撮っておいた方が良いと思います。注意点は、必ず上記の名前で、複数形のフォルダを作っておく必要があります。
 
 フラットフレームは、AliExpressからGeminiフラットパネルを購入したことで、すごく楽に撮ることが出来るようになりました。
 
μ250CRSに使いたいため、大きい300mm径のものを購入しました。
 
高橋製作所の「TOA130S」と言う口径13cmのアポクロマート望遠鏡でフラットパネルを使っている様子です。
 
μ250CRSにGeminiフラットパネルを乗せているところです。私は、ZWO社のASI AIR +265Gを使っていますので、フラットフレームとバイアスフレームはオートで撮影しています。
 
上の写真のように、各「biases」 「darks」 「flats」 「lights」フォルダを作成しておきます。そして、各データを放り込んでおきます。処理する対象ごとに、このフォルダを作成する必要性があります。なので、事前に空の、この名前のフォルダを作成しておくと良いでしょう。それをコピペして、そこに各データを放り込んで処理します。家マークみたいなところで、このフォルダがある所を指定しておきます。こうしないと、Sirilは動きません。
 
私の場合は、ワンショットのカラーCMOSカメラで、各フレームを撮っているので「Siriスクリプト」から、この項目を選択してスッタッキング処理をします。例えば、ダークフレームを撮っていなければ、その項目を選択してスッタッキングを行います。スタッキングの速度はかなり速いです。(σ加算平均合成のやり方は、全く分かっていません。とほほ。ですが、旨く処理してくれているのか、人工衛星の光跡が写ったのは1枚だけでした。)
 
スッタッキングが終わると、Sirilが表される初期画面に戻りますので、上の「開く」からスッタッキングされたFITSファイルを選択して開きます。
 
出来上がった画像は線形(リニア)なので、暗くて訳が分からない画像になります。そこで「自動イコライゼーション」にチェックしますと、ストレッチされた画像になります。この処理は、仮にストレッチしている画像なので、最後にストレッチ処理をすることになります。
 
私は「ディザリング撮影」をしていますので、周辺が乱れた画像になっていますので、そこを切り取っておきます。
 
そのままでは、色カブリなどがあるので、これを補正します。「画像処理」の箇所から「Background Extraction」を選択。私の場合「Add dither」と「生成」をクリックします。すると、指定された数のポイントが出て来ます。この場合は、ポイントが馬頭星雲に沢山かかってしまっていますので、マウスを左クリックして、不要なポイントを消していきます。
 
馬頭星雲にかかっているポイントを消しましたので「Complete Background」の箇所をクリックして補正します。これは「ステライメージ10」の機能よりかなり優秀で、結構綺麗に色カブリを補正してくれます。
 
この馬頭星雲は、NBZフィルターを付けているので、そうではありませんが、通常は緑っぽい画像になりますので「グリーンノイズを除く」を選択します。
 
結果、結構赤い画像になってしまっています。これは、使っているフィルターにもよります。
 
次に「StarNet++V2」を使って、星消し画像と、恒星だけの画像を作ります。「画像処理」の「Star Porsecing」を選択して、その画像を作成します。この時、Mac版Sirilは「コマンド」に「ターミナル」を打ち込まないと連携しません。
ターミナルに「半角スペースの後にcd」を打ち、ダウンロードして、保存しておいた「 

StarNetv2CLI_MacOS フォルダ」をそこに、そのままドラッグします。その後に「chomod +x run _starnet.sh」と打ち込みます。これで連携出来ると思います。このコマンドは、海外の方のYouTubeで初めて知りました。
 

上の横三本線の箇所から「その他」の所を選択して「StarNet」とフリーアプリの「GraXpert」を連携させておきます。「GraXpert」は「Pythonスクリプト」から動かせます。ちなみに「Pythonスクリプトとの連携」も四苦八苦しました。いろいろやっていたら、突然連携出来ました。但し「フランクリンさん」が作成した「CosmicClarity」とは、今現在連携出来ていません。
 

 

StarNet++V2は「画像処理」の「Star Prosecing」の箇所から動かします。「StarNet Star Removal」を選択します。この処理は結構時間がかかります。
 

この二つのファイルが作成されます。
 
 次に「Star Recompoisitionl」を選択して調整を行います。
 

パラメーターを変えて、良い調子な所で処理を終わります。
 

ちなみに「PythonスクリプトのSyqon Starless」の方が優秀だというYouTubeも見ました。確かに、星消し画像が良さげです。
 

順番が正しいか分かりませんが「ツール」「天体測量」」「アストロメトリー」の所でその天体の名前を入れると、NASAとかのビッグデータから補正をしてくれるようです。ここでは、馬頭星雲のIC434を入れて「Find」を押すとそれが入力されます。今回の写真では、あまり変化がないように感じました。やり方が間違っていたかも。
 

「Streches Processing」「Arcsinh変換」も行うと良いとのことですが、操作する順番がおかしいのか、あまり変化無しでした。
 

「Filter Processing」の箇所に「逆他畳み込み」と言う項目がありますので、これも使っておきます。所謂「デコンボリューション処理」で、星を小さくしてくれます。但し「RC ASTRO」の「BlurXTerminator」には、遠く及びません。
 

このままでは、仮にストレッチした画像なので、実際は暗い画像のままです。そこで「Streches Processing」の箇所から「ヒストグラム変換」を行います。
 

右端の歯車みたいなアイコンを押すとストレッチが完了します。
 
その後、私の場合は、32bitのファイルで保存すると鏡面画像になりますので、16bitのTIFF画像で書き出します。
 

 Photoshopで読み込んで、レベル補正、色補正、トーンカーブ補正などをして、とりあえず完了です。「Siril」にもノイズ軽減機能がありますが、あまり効果を感じていません。仕方がない時は、AIを使ったサブスクアプリ「Topaz Photo AI」を使うこともあります。
 
 正直なところ、今の使い方が本当に正しいのかも分かっていませんし、機能のほんの一部しか使っていないと思います。
 

これは、ベランダから「ZWO社のFF80-APO鏡筒+レデューサ」「ZWO社のASI 2600MC DUO」「IDAS社のHEUIB-Ⅱ」を使って撮影して、主に「Siril」で画像処理したものです。まあ、ベランダから撮影したことを考えると、自分で許容範囲ではないかと。