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ウィリアムオプティクス社 Red Cat 51 Ⅲ
 
 2025年9月21日の地元の観望会のお手伝いに行った時に、ZWO社のFF80-APOのEAF電動フォーカッサーの動きが完全におかしくなってしまいました。やむなく、分解しましたが、余計に悪くなりました。その後、全くドロチューブが動かない状態になってしまいました。
 これから、条件が良くなるLemmon彗星の撮影はどうしたものか・・・結構悩みました。
 
 2025年10月7日に、かなりの睡眠不足の中、無理をして協栄産業大阪店さんに行ってきました。
 その結果、FF80-APOは、ZWOの中国本社へ。修理代も、いつ返ってくるかも不明です。
 
 完全に、ドロチューブが動かなくなった「ZWO社のFF80-APO」です。しかし、ネジ類を自分で調整したのは、オートフォーカスが出来なくなり、ハンドコントローラーから手動でピント位置を何とか動かした後に、起こったことです。
 
 (下記の、Red Cat 51 Ⅲのピント関連のネジを調整する時は、ウィリアムオプティクス社に連絡してからやって下さい、と、書いてあったので、この部分は、自分で勝手に調整するのは駄目だったのかも知れません。)
 
 これは、予想通りの結果でした。そのため、残りの人生を考えて、まだ身体が何とか動くうちは、もっと天体写真を気軽に撮りたいと、小さな鏡筒を購入することにしました。
 予め、候補を挙げて、その機材のテストリポートや、ブログなどを調べておきました。自分の中では、ほぼ、決めてからの訪問になりました。
 店員さんに、更なる情報も得て、やはり第一候補の「ウィリアムオプティクス社のRed Cat 51 Ⅲ」を購入することにしました。訪問する前に、候補2機種の在庫があるのは確認しておりました。
 
 決定した理由は、価格面、コンパクトさ、そして、デジタル一眼カメラの、良いレンズを持っていないことから、ちょっとした望遠レンズ代わりになるものにしました。
 
 「ウィリアムオプティクス社のRed Cat 51 Ⅲ」は、口径51mm、焦点距離250mmの3群4枚 ペッツバール式アポクロマートです。私が持っている望遠鏡の中ではかなり小さく、これが、望遠鏡と言えるのかという程小さな鏡筒です。
 この鏡筒を選択したのは、星像の良さです。それは、中心像だけではなく周辺像も良さげだよと言う情報を得ていたからです。そして、この焦点距離の鏡筒を持っていなく、この位の焦点距離の物があったら撮影が広がると思っていたからです。
 
望遠鏡は、こんな段ボールに入っています。
 
段ボールの中には、こんなケースが入っています。これは、助かりますね。望遠鏡が動かない様に、そして傷付かないように、ウレタンが型取りして入っています。
 
こんな感じですね。初めから、移動に便利なケースが付いているのは、ありがたいです。高橋製作所の望遠鏡では、後で、高価なアルミケースを買っていましたからね。(高橋の鏡筒や赤道儀が大きいから頑丈なアルミケースが必須です。)
 
また、 中には、スタートガイドと保証書が入っていました。「スタートガイド」は、カラーレーザープリンターで印刷されたものなので、時間が経つと劣化する可能性があります。そこで、フラッドベッドスキャナーでスキャンして、TFF画像、それを元にワード形式、PDF形式で保存しておきました。・・・あ、ネットで探せば、PDFファイルがあるんでしょうかねぇ?知らんけど。)
 
また、鏡筒上部のパーツに、ガイド鏡などを固定する為のネジ(左)と、六角レンチが入っていました。この辺りの気遣いは、すごいですね。
 
ピントは、ドロチューブが外側に伸びない、インナーフォーカスタイプのものが採用されています。これも、ありがたいです。ピントノブは、デュアルフォーカスなのですが、何故か、微調整用のノブには、ねじ込み式の金属製のキャップが付いており、使う時には、そのキャップを外すことになります。これって、何の意味があるのでしょうか?多分、意味があるから付けているのでしょうね。
 
 ちょっと、アホな勘違いをしていました。接眼部は、上記の様な形になっていて、アイピースを付けて眼視で見ることは出来ないようです。(もしかしたら、どこかのショップで装置を作ってもらえれば、直接見ることが出来るのかも知れませんが・・・まあ、焦点距離が250mmしかありませんので、現実的ではないと思いますが。
 観望会で、直接望遠鏡を覗き込む様にするには「スカイウォッチャー社SKYMAX180か、高橋のFC60を使うことにしましょうか?ただ、FC60は、ファインダーを取り外していますので、探し出して取り付けた方が取扱が楽になるでしょう。
インナーフォーカス式なので、ドロチューブの長さは変わりません。と言うか、ドロチューブは外に伸びません。それもあってピント位置が分かる様に目盛りが付いています。これもありがたいですね。
 
また、ピントノブの箇所に温度計も付いています。うーむ、これは、どうやって使ったら良いのでしょう?これを見て「あ、温度が何度変わっているから、ピント出しをやり直した方が良いなぁ。」と判断するのでしょうか?
 
また、フードの先には、カパッとはめ込んだり、引き抜けば直ぐ取り外せる、半透明のバーティノフマスクが標準で付いています。このバーティノフマスクは、光芒が見やすいでの、EAFを装着してオートフォーカスしなくても、ジャスピンが出る様な気がします。しかも、オートフォーカスと比較すると、あまり時間がかかりませんね。
 
 勿論、ZWO社のEAF電動フォーカッサーも取り付け可能です。しかし、EAFは2台持っているのですが、現在修理に出している「ZWO社のFF80-APO」と「高橋製作所のTOA130S」に取り付けています。
 まだ、テストはしていませんが、この鏡筒、西の空のLemmon彗星を撮ってみたいと言う気持ちがあります。西の空ですから、すぐ彗星が沈んでしまいます。なので、オートフォーカスで時間をさくより、バーティノフマスクで、ちゃちゃっとピントを出した方が良い様な気がします。
 
 今、私が持っている、冷却CMOSカメラの一つ「ZWO社のASI 2600MC DUO」は「FF80-APO」で使っていたテーパーリングなどのパーツを使ってそのまま付ける事が出来ました。ガイド鏡も、上記の位置に固定することが出来ました。(このカメラは、APS-Cサイズですので、結構広角に撮れます。)
 これも、まだテスト出来ていませんが、このガイド鏡を付けている溝の部分に、K-ASTEC社の外付け極軸望遠鏡を付ければ、ある程度、天の北極近くに、赤道儀を向けることが出来るのではないでしょうか?西の空の彗星を撮るには、時間との闘いとなりますので、時短出来るところは全部試したいものです。
 
 また「ZWO社ASI 183MC Pro」なる1インチの冷却CMOSカメラも、ZWO社のFF80-APOで使っていたパーツを使って取り付けることが出来ました。協栄産業さんのHPには、この組み合わせで撮られた「ハート星雲」の写真が載っていました。ほぉー、なるほど、この位の大きさで写るんだ、これなら、結構な対象が撮れるかも知れないぞって思っています。
 それにしても、ZWO社のAM5N赤道儀が赤色、Red Cat 51 Ⅲも赤色。パッと見た目、同じ会社が作った製品の様に見えたりします。
 
「Red Cat 51 Ⅲ」には、フラットナーやレデューサーはありません。これは、色収差の表でしょうか?かなり優秀な光学系のようです。恐らく、星を実施に撮っても色収差による色分散は殆ど気にならないでしょう。
 
また、メーカーの発表している「スポットダイアグラム」を見ても、中心部から周辺部にかけても、良像が得られるようですね。

 
 このところ、ずっと天気が悪いので、次回晴れたら、まずはベランダでテストしてから、実戦に入りたいと思います。
 それと同時に、如何せん口径51mmの望遠鏡ですので、光量、解像度には、底までの期待はできません。
 
 その時は、覚悟を決めて、最近は移動には、ちょっと気合いが必要な「高橋製作所のEM-200 Temma 2 Z赤道儀」「TOA130S」「EOS 6D HKIR改」の組み合わせも、遠征にもって行こうかと考えています。
 この「TOA130S」の上に「Red Cat 51 Ⅲ」を乗せることは出来ないのでしょうか。
 「ZWO社のASI AIR」なるWiFiを使って、すべての操作が出来る機材は、何と2個持っているですよね。iPhoneとiPad Airから操作すれば、2台同時に操作できるとは思うんですけど、実は、ケーブル類が不足しています。もう、ジェニがないので、それは、ちょっとやめておこうかと思っています。
 
 後日、実際に天体を撮ることが出来ました。
 
この望遠鏡で撮ったLemmon彗星です。(2025年10月10日撮影)
 
雲が襲来する直前に、2コマだけ撮った白鳥座の網状星雲です。(2025年10月17日撮影)