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  • 2023年 ふたご座流星群撮影(備忘録)

 2023年12月13日(水) 極大日の1日前に岡山県の美星町へ。


 
 ふたご座流星群の極大日は、天候が絶望的なので、昨日、プチ遠征に出かけてきました。
 昨日は、相変わらず体調悪し。しかし、極悪ではなかったので、岡山県の美星町を目指すことにしました。しかし、やはり、頭がボッーとしていることもありぃーの、もしかしたら、頼んでいた「ステラショット3のアップグレード版」が届くかもしれないと思って、少々待っていたこともあり、何と、出発が午後2時になりました。かぁー、せめて午後1時は出たかったのにねぇ。
 
 ちなみに、事前の準備としては、カメラのすべてバッテリーの充電し直し、リチウムイオンポータブルバッテリー、モバイルバッテリーの充電、各パーツの確認、ケーブルの確認をしておきました。また、以前、ジムケンドリック社のヒーターがイマイチ暖かくないように思っていましたので、その確認もしましました。(前回のチェックの時は、1個がバカになっていたので捨てる羽目になりましたが。)
 ところで、私の乗っているレヴォーグなんですが、ナビが結構お馬鹿さんで困っています。高速道路を使わないルートでの到着には、4時間もかかると抜かしておりました。んな訳なかろう・・・ペシペシ。
 実は、この日の天気予報は、日本海側でも快晴だったので、出発してから、少しして、やはり、あの鏡ヶ成の近くに行こうと思い直しました。あそこなら、より素晴らしい星が見られるし、1時間程度で行けるからな。
 しかし「いや、いや、あの場所は、ガスや雲の通り道になっている事が多くて、今まで何度も苦渋を強いられているじゃないか?仮に、最初晴れていても、直ぐに曇ってしまう可能性が大いにあるぞ。」てなことで、やはり、岡山県の美星町を目指すことになりました。
 下道は、ほぼ渋滞などありませんでした。ある時間帯は、まるで車が走っていないこともありました。
 てなことで、2時間半ほどで到着しました。どこが、4時間じゃーい!!再度ペシペシ。
 ところで、途中、カーブで、対向のダンプカーが猛スピードでセンターランを超えて走ってきました。私は、左側のラインを越えて避けましたが、それでも、側面衝突したと思いました。死刑に処す。
 

結局、以前から使っている場所を使うことにしました。しかし、そこは、道が大変狭いので、一端、この場所に車を停めました。そこからは、歩いて、道の状況を確認致しました。「おお、何とか行けるな。」
 
 しかし、余裕をかましている場合ではありません。もう、少し暗くなり始めていました。焦って用意をします。
 ジッツオの細めの三脚には「サイオニクスオーロラプロ」を乗せました。また、大きめなジッツオの三脚には、Nikon D850を乗せて「HolyGrayタイムラプス撮影」を行いました。(でも、F値が暗いズームレンズだから、流星撮影には向いていない。よほどの火球が流れれば別ですけど。)そして、マンフロット三脚には、同社のジュニアギアヘッド雲台を介して、GF50なるポタ赤にEOS 6D HKIR改カメラを装着しました。なお、このカメラには、Nikon Fマウントのシグマ15mm対角魚眼レンズを、マウントアダプタを使って装着しました。Fは2.8です。暗いレンズですが、私は貧乏人。仕方がありません。ペルセウス座流星群の時に、失敗しましたので、今回は、露出とISO感度には注意を払ったつもりです。
 
 また、ふたご座流星群の撮影だけでは、もったいないと、高橋製作所のEM-200 Temma 2 Z赤道儀に、TOA130S鏡筒を乗せて撮影です。撮像カメラは「ZWO ASI 2600MC DUO」を使いました。
 

これは、ペルセウス座流星群の撮影の風景ですが、今回も、TOA130Sと言う望遠鏡の他は、これと同じスタイルの機材を用意しました。
 

TOA130S望遠鏡を「iPhone 12 Pro」で撮りました。機種が古い。だって、金がないんだもーん。気温は2℃を示していましたが、一部には霜が降りておりましたし、カーボン三脚を撤収する際には、水に浸かっていたのかと疑いたくなるほど結露しまくっていました。
 
 しかし、例年の気温よりは高いのですが、それでも、そこは12月です。結構寒いです。(帰途に着く際に気温を見ましたら、2℃でした。)また、異常なほど鼻水が出ます。加えて、目がしょぼしょぼして、涙がポタポタこぼれます。下を向くと、涙が眼鏡にポタリと落ちて、何度も拭く羽目になります。こりゃ、黄砂か、PM2.5のせいじゃないかな?空も、何か微妙にかすんでいる気がします。
 私は、こぐま座の5等星の見え方で、大体どの位の暗い星が見えているか、簡易的に判断します。その5等星は、何とか見えていますが、何か、これが、ギリギリってな感じの空です。
 
 最近は、年のせいか、極軸望遠鏡に北極星を入れにくいのです。これは、眼鏡がマルチフォーカスのため、視野周辺が歪むせいも大きいのでしょう。また、私は、斜位ですので、(斜位とは 斜視とは違い、神経を集中することで両眼の視線を目標に合わせている状態です。 したがって、通常状態で視線のずれはなく、両眼視が可能ですが、片方の眼を隠して 両眼の関係を断ち切った時に、隠した方の眼が斜視のように外れます。 斜視と同様に、目のずれる方向によって内斜位、外斜位・上下斜位があります。・・・ネットより)そのせいもあって、極軸望遠鏡でセッティングがしにくいのだと思います。
 
 そこで、いつもの様に、まず、三重県津市にある、天文ショップで購入した「簡易型極軸調整セット」のコンパスを使い、大まかな北の位置を赤道儀を向けました。勿論、偏角を考慮しています。そのあと、ツバ付き丸形水準器で、水平も出しておきました。
 

この水準器で水平を出します。(これは、今回撮ったものではありません。
 

現在の私には、アイベルさんで購入したこの「簡易型極軸調整セット」が必須な商品になります。あー、ジジイだわ。
 
 しかああああああし、いざ北極星が見えると、かなりの量でズレいました。慌てて、三脚ごと位置をずらします。(こんなことしちゃ危ないからダメですぞぉ。)
 次に「ZWO ASI AIR Plus-256G」を使って、適当な星を導入させます。その後、EAFを使ってオートフォーカスで星にピントを合わせます。
 そして「ZWO ASI AIR Plus-256G」の機能の一つである「All-SKY Polar Align」を使って、極軸を合わせました。しかし、今回は、これがなかなかうまくいきません。よく見たら、撮像カメラの焦点距離を入れ直したはずなのに、μ250CRSの焦点距離になっていたり、赤道儀を三脚にしっかり固定していたつもりなのに、固定不足だったりしていたのが原因でした。あーあ、何か、集中力がゼッローでした。
 
 「サイオニクス オーロラ プロ」「EOS 6D HKIR改」、「Nikon D850」、「TOA130Sに付けた2600MC DUO」を、操作しているので、じっくり星空を眺めることがなかなか出来ません。とは言え、まるで流星が流れません。つーか、異常に流れません。
 そうこうしている内に、何度も、雲が襲来してきました。何度、撤収を考えたことか?
 

 こちらの写真は、GF50なるポタ赤に「Canon EOS 6D HKIR改」を乗せて写したものです。ISO12800の15秒露出を繰り返して「シリウスコンプ」で合成したものです。あり得ない程、飛行機が飛んでいます。流星は、まるで写っていません。まあ、Nikonマウントのシグマ15mm対角魚眼レンズ(F2.8)をレンズマウントを介して写しておりますので、小さな流星は、仮に写って分かりづらいですよね。
 右下の明るいところは、私が、ヘッドランプを付けて望遠鏡を操作しているところです。
 

何と、静止画で写っていた流星は、どうやら、この1枚だけの様でした。Nikon D850に同社の「AF-S NIKKOR 28-300mmレンズ」を使って、HolyGrayタイムラプス撮影した最後に写ったものです。F値は、3.5と、暗いレンズです。
 

おっと、EOS6D HKIR改カメラで撮っていた画像を調べると、こんなんが出てきましたけど・・・多分、流星の様な気もするけど、高い高度で飛んでいた飛行機の可能性もあるなぁ。何か、微妙・・・
 
 何度も大量の雲に覆われました。その度、もうダメだと帰宅しようと思いました。しかし、諦めていると、また晴れてきます。しかし、午前1時過ぎだったでしょうか?空全体を分厚い雲が覆ってしまいました。「さすがに、もうダメだ。撤収だ。」
 最後の機材を車に入れようとした時、念の為に、空を見上げました。「げっ!!雲一つない星空になっとるがな。」しかし、再度、組み立てる根性はありませんでした。
 

これは、GF50なるポタ赤に「Canon EOS 6D HKIR改」乗せて、ISO12.800で15秒露出したものから「シリウスコンプ」で動画にしたものです。敢えて、露出オーバーで撮っておりましたが、結局、流星が見当たりません。また、途中で結露して、大きなヒーターを付け直しました。リサイズして、圧縮しているため画質は良くありません。
 

こちらは、Nikon D850でHolyGrayタイムラプス撮影したものです。最後の最後で流星が写っています。
 
そこで、頼りになったのが、予想通り「サイオニクス オーロラ プロ」と言う、ISO感度SO感度819.200の超高感度ビデオカメラです。(ナイトモード、F1.4の場合)標準レンズ画角ながら、暗い流星まで写りますね。元動画は720Pです。(フルハイビジョンではありません。)また、近赤外線領域まで感知しますので、緑がかった色彩になります。更に、真っ暗な空では結構ノイズを拾いますが、流星がビックリするほど写ります。Apple社のビデオ編集ソフト「Final Cut Pro」で、明るさを調整して、流星が写っている箇所だけカットして繋ぎました。このHPの動画アップは、容量制限がありますので、リサイズして圧縮をかけています。
 とにかく、恐るべし「サイオニクス オーロラ プロ」です。フレームレートも30FPSですから、ほぼ肉眼で見ているのと同じ感じで写せています。
 
帰宅したのが、午前4時42分でした。撮影中、気温2℃の中、ずっと立っていたこともあり、機材を撤収する時には、腰が折れるのかと思うほど激痛が走っていました。さすが、ジジイだわ。帰宅時、木星は見えていましたが、結構雲に覆われてきていました。何か、ちょっとホッとしましたね。帰宅時にも晴れていたら、ショックですからね。退却が早すぎたってね・・・
 
この日、TOAで撮ったものの1つが、この馬頭星雲です。NBZフィルターを使っています。雲が頻繁に襲来してきましたので、ゲイン300、露出600秒の2枚だけの撮影でした。
 
NBZフィルターは、全体が赤くなるので、「IDAS社の52mm径のHEUIB-IIフィルターを使って写しました。これまた、雲のため、600秒の1枚撮りです。
 
既に西に傾いた「白鳥座のペリカン星雲」も慌てて写しました。