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  • 2023年 ペルセウス座流星群撮影(備忘録)

 2023年8月12日から13日夜半過ぎと、8月13日にも、日付変更線を超える前まで、ペルセウス座流星群撮影に行ってきました。
 いろいろと大失敗もあり、「備忘録」と言う意味も含めて、記録しました。「貧相アブ衛門の嘆き」とかなり被ること頃があります。ご容赦を。


 
 2023年8月12日(土)
 
「朝、目が覚めて窓を開けると、ニャンと快晴ではあーりませんか?
 まずは、天気の事をパソコンで調べました。
 

 朝6時の天気図です。台風7号さんは、割とコンパクトの様に見えますが、気圧は940hPaと「非常に強い」勢力を保っています。進路は、当初の予定からずれて、近畿エリアを中心に向かっているようです。ゲロゲロ。
 

 これは、朝6時の「台風7号の進路予報図」です。「わちゃー!」的な進路をたどるようです。まあ、まだ予報円が大きいので、何とも言えませんが・・・
 

 これは、午前9時の気象衛星写真です。ありゃ?たまたまかも知れませんが、台風の目が写っておりません。ある情報では、960hPa位の気圧のまま上陸するとの情報もあります。(可視光写真なので、台風の目が写っていないだけのようです。)
 
 さて、具体的な天気予報なんですけど、見るところ見るところで、結構違いますし、見る時間帯でもコロコロ違うんですよねぇ。
 ある天気予報では、ペルセウス座流星群の極大日でも、何とか晴れそうだというものもあります。まあ、大体はダメちゅーのが多いですね。
 てなことで、本日は、何が何でも、ペルセウス座流星群の撮影に行こうと思っています。身体がムチャンコダルいんですけどね。
 
 あ、台風7号ですが、950hPaと、少し気圧が上がりました。また、赤外線写真で見ると、台風の目がムチャンコでかいです。
 

 本日12時30分の赤外線衛星写真です。
 

 同時刻の可視光衛星写真です。どっちにしても、やばいわ、この台風。
 
 さても、また話が変わります。今夜のペルセウス座流星群撮影のために、大手家電量販店に行って、単4電池、単3電池、ヘッドライト用のリチウム電池を買っておきました。
 ところで、午後4時前の天候ですが、結構雲が出てきました。果たして、遠征に行っても大丈夫なのでしょうか?
 
 結局、ペルセウス座流星群撮影のために、ちょっとした遠征に行ってきました。鳥取県の大山の南側にある「鏡ヶ成」の近くです。ここなら、光害は少ないし、意外な事に、やって来る人も少ないので、最適な場所です。標高も880m程度あり、とても素晴らしい星空が見えるのですよ。ちと問題のは、すぐ横の道に、予想外に多くの車が走っていることです。まあ、それも、撮影には大きな問題にはなりません。また、得たいの知れない虫が沢山いて、刺されると、ムチャンコかゆみが延々と続く事です。結構腫れますしね。虫除けスプレーと、長袖、長ズボンは必須です。それでも、刺されますけどね。
 
 さて、今回持って行った機材です。
 
 機材①
 マンフロットの三脚には、ジュニアギアヘッド雲台をを付けて、そこに、K-ASTECのGF50なるポタ赤をセットしました。カメラは、ハヤタ・カメララボさんで改造してもらったEOS6Dを使うことにしました。マンフロットのジュニアギア雲台を使ったのは、どうせ、広角でしか撮らないので、強度はそこまで重視しなかったからです。これによって、極軸を合わせるのが実に楽になりました。
 当初、シグマの15mm対角魚眼レンズを使おうと思っていましたが「あれは、周辺が歪むし、焦点距離が短すぎるからな。」てなことで、銀塩時代の、古い中古の20mmを使いました。と、変な、黒いものが、左右に写り込みます。もしかして、APS-C専用のレンズだったのか?
 

これが、改造EOS 6Dに中古で買ったキャノンの20mmレンズで撮ったもの。ぐうぇぇぇー、このレンズ、大失敗だったどー。フルサイズカメラには使えねぇーど。
 
 大慌てで、Nikonマウントのシグマ15mm対角魚眼レンズを、マウントアダプタを使って、改造EOS 6D(HKIR)に付けました。しかし、ファインダーに星が全く見えません。ならばと、ISO感度を最大の25600に上げて、ライブビューで確かめます。しかし、これまた、全く星が見えません。何度か試行錯誤をしておりましたら、うしかい座のα星「アークトゥルス」を使ってピントを出すことに成功しました。どうやらマウントアダプタの固定がしっかりなされていなかったのが原因だったかも知れません。
 
 結果ですが、液晶画面では、ちゃんと流星が何個も写っているのを確認出来たのですが、パソコンにて画像処理をしようとしたところ、露出が無茶苦茶オーバーになっておりました。ええ?なして??(流星が写っていたはずのものは、日付けが変わってからでした。それまでは、異常な位に流星が飛ばなかった印象でした。)
 
 根本的な間違いは、ライブビューに星が出てこなかったので、ISO感度を25600にし、そのままにしていたことです。でもね、テスト撮影をして、液晶画面を見て、この位かぶっているから、露出を2分に短くしたんですけどね。おかしいな。
 (撮影中は、ISO1600か3200で撮っていると信じ込んでいましたね。完全なアホですわ。)
 
 機材②
 Nikon D850は、「HolyGrayタイムラプス撮影」をしておりました。私は、望遠鏡関係に金をかけてしまったので、良いカメラレンズを持っていません。従って、今回は、銀塩時代の中古で買った安い24mm F2.8のレンズを使いました。しかし「HolyGrayタイムラプス撮影」の本当のメリットは、明るい時間帯から、星空になった時間帯でも、自動的に最適な明るさで、タイムラプス撮影をしてくれるというものです。従って、今回の様に、星空だけの撮影では意味がなかったかも知れません。後で確認してみると、レンズのF値は3.5になっていましたからねぇ。もう、本当アホだわ。
 
 機材③
 「サイオニクス オーロラ プロ」でも動画で撮影しておりました。このビデオカメラでの撮影を一番期待していました。このビデオカメラは、フルカラー造影のISO感度819200と言うとんでもない高感度のビデオカメラです。付属の小さなリチウムバッテリーでは、最大2時間までの録画しか、出来ません。そこで、私は、大きめなUSBリチウムバッテリーを接続して使用しました。結露対策として、黒い画用紙を丸めて作ったフードを付けて、尚且つ、紐状のヒーターを付けました。
 欠点と言えば、720PのHDまでの解像度なので、4Kなどのビデオカメラと比較するとかなり見劣りします。また、高感度を得るために、可視光と、近赤外線領域まで写りますので、空は緑色に、木々は、白く紫っぽい色に写ります。更に、月明かりなどがあり、空がある程度明るい時は、それ程ノイズは乗りませんが、真っ暗な星空では、かなりノイズが乗ります。また、単焦点、マニュアルフォーカスです。画角は、フルサイズカメラに換算すると47mmとか書かれていたり、もう少し長めの焦点距離が書かれていたり・・・ナイトモードの際のF値は1.4と結構明るいですよ。ともあれ、標準レンズ画角なのです。流星を撮るには、もっと広角レンズが欲しいところです。
 

この日の撮影機材です。望遠鏡は持ってきていないので、設定と撤収が早くて助かりました。ちなみに、後から結露防止のヒーターをつけることもありぃーの、途中でピントリングが動いてしまう可能性がありぃーのでしたので、一端ピントを出した後は、アセテートテープで、ピントがズレないように固定しておきました。
 
 ★さて、この日の結論です。
 
 ①改造EOS 6Dですが、ライブビューの際に、ISO 25600にしており、そのままの状態で撮影をしてしまいました。(純正のタイマー付きリモコンを使用。)その後、3分露出で試し撮りをしました。液晶画面で確認して、もっと短い2分露出が良いだろうなと、撮影していたのです。(撮影後、EOS 6Dの液晶画面での撮像確認ですが、撮影後半に何個も流星が写っていたのが分かりました。更には「痕」らしきものまで写っているのが分かりました。
 しかし、帰ってから、パソコンに取り込んだのですが、真っ白けのデータになっていました。当初、Photoshop2023で、通常の画像処理をしてましたが、全く真っ白けのままでした。その後、Photoshop2023の「Camera Raw」で現像したところ、何とか、まあ、ちぃとは見られる画像になりました。しかし、何故か、写っていたはずの流星が殆ど写っていませんでした。もし、ISO 25600で写すのするのなら、露出は30秒以内にすべきでしたね。否、10秒程度でも良かったかも知れません。試し撮りの45.5秒露出のものは、何とか使えましたのですが・・・少なくともEOS 6Dの液晶で適正露出を確認するのは、危険が危ないと判断しました。
 

ISO感度25600の2分露出した画像です。全くもっての露出オーバーです。
 

何とか、上の真っ白けな画像を、Photoshop2023の「Camera Raw」で現像し直すと、まあ、チイとは見られる画像になりました。右下に半分流星が写っています。
 

 これは、試し撮りをした時のものです。ISO25600で45.5秒露出からの画像処理です。流星らしきものが2個写っていました。暗い流星は、このサイズですと殆ど分かりませんけどね。てなことで、流星が写っている所をアップして貼り付けました。
 

これは、今回の流星群とは、全く関係ないのですが、同じ場所で、Canonの純正の17〜40mmズームレンズを使って写したものです。(40mm F4)しかし、このレンズはF4ですので、流星撮影には使えませんね。よほどの火球でも飛ばない限り。
 
 「Camera Raw」で処理した画像ですが、結局、EOS 5Dなるデジイチで撮れた流星は3個だけでした。撮影後。液晶画面で確認した時は、最後の方で、4〜5程度そこそこ明るい流星が写っていたはずなのですが。しかも「痕」まで写っていたはずなのですがねぇ。しかし、どんなに探しても見つかりませんでした。でも、なしてかなぁ?グレそう。
 
 ちなみに、天体写真の西の大御所である「Ryutao師匠」のHPには、明るい流星が4個写っているものが掲載されていました。
 そのデータですが、シグマの24mm F1.4 HSMレンズ(F1.8に絞る)、カメラは、Nikon D810A、ISO感度は8000で、10秒露出の3枚比較明合成されていました。
 これを考えると、私のシグマのF2.8レンズなら、ISO1000で15秒程度の露出でも良かったのかも知れません。今更、とーても残念。
 
 ②次は、Nikon D850でのタイムラプスです。
 何とか、写っているものがありました。
 

  「HolyGrayタイムラプス撮影」したものです。最高感度は、ISO2800としております。設定としては、15秒露出して、2秒のインターバルの繰り返した撮影方法です。(レンズは、銀塩時代の、中古で買ったやっすい、24mm F2.8レンズを使いました。
左側に、短いですが、明るい流星が写っていました。ま、せめてもの・・・
 

上のタイムラプス撮影の1コマに、短いけれど、明るい流星が写っていました。良かったわー。(輻射点に近い場所を写していましたので、短い流星しか撮れないのが当たり前ですわ。おほほ。)
 
 月が昇ってきそうだったのと、疲労のために、午前1時位に撮影を切り上げました。後で考えると、もうちょっと粘った方が良かったなぁって思っています。


 
2023年8月13日(日)
 
 台風7号が近づいているので、ペルセウス座流星群撮影は、多分ダメだろうと思っていました。おまけに、見る天気予報、天気予報が異なる予報を出しているので、何だか、気も萎えてしまいます。
 しかし、結局、何か天気が良さそうなので、昨日と同じ場所に車で出かけました。でも、身体がダルいよぉー。
 着いた時は、まだ明るい状態でしたので、機材のセッティングは、まあ、そこそこスピディーに終えました。
 と、辺りが薄暗くなった頃から、鏡ヶ成の方からガスが押し寄せてきました。「鏡ヶ成は、風の通り道というか、ガスの通り道になっている事が多いからな。特に夏場は、鏡ヶ成だけガスっていることがあるんだよね。」って、少々諦めの境地と、そのうち何とかなるでしょうと言う気持ちが入り交じった複雑な心境で、待っていました。しかし、いつまで待っても、ガスが押し寄せる状況は改善しません。多分、台風7号の影響で、北から強い風がやって来て、この高地を越えるとガスになってしまうんでしょうね。でも、当地は鏡ヶ成より少し下の場所なので、大丈夫なのではないかと、変な自信があったのですが・・・
 と、突然、北極星が見えました。大慌てで、ポタ赤の極軸を合わせておきました。ポタ赤は、昨日と同じK-ASTECのGF50を使いました。電池は、いつ変えたか記憶がないくらいだったので、新しいものに交換しておきました。マンフロットのジュニアギア雲台は、それ程強度はないかも知れませんが、広角レンズで撮るので、問題もありませんし、セッティングがとても簡単に出来るのが良いですね。
 

機材を仮セッティングした時、ガスが押し寄せてきた北側とは裏腹に、南側はまだ晴れていました。しかし、その後、全天ガスに覆われることになります。.
 
 その後、しばらくはガスの中でした。しかし、そのうち、ちょっとだけ星が出てきました。しかし、ガスの合間にちょっとだけ見える程度です。慌ててカメラをセットすると、その後は、ガスに星がかき消されると言うことを、何度も繰り返しました。従って、全く写真は撮れません。
 ペルセウス座流星群撮影の極大時刻は、本日の17時頃と言われています。早く撮りたいところですが、ダメですね。何度も、撮影をやめようかと思いました。上空は晴れているので、どこか違う場所に移動した方が良いとも思いました。しかし、今更どこに行けば良いのか分かりません。
 
 そのうち、何とかガスの合間から星空がある程度見える状態になりました。ガイド撮影をしているのは、ハヤタ・カメララボさん改造のEOS 6Dです。昨日、ISO感度や露出オーバーで大失敗しましたので、今回はISO1600とISO3200で、1分露出としました。(実は、この設定もダメでした。ISO感度は6400か、もっと上げて、露出は1分程度で良かったかも知れません。
 昨日と同じように、1台は「サイオニクス プロ オーロラ プロ」で、動画撮影です。2台目は、前述のGF50にEOS 6D改を乗せてガイド撮影です。更に、もう1台は「Nikon D850」に古い24mm F2.8のレンズを付けて「HolyGrayタイムラプス撮影」を行いました。しかし、ガスがしょっちゅう押し寄せることもあって、まともな写真を撮ることが出来ないと、半ば諦めて、いい加減撮影をしました。しかも、後で見たら、F値が3.5になっておりました。普通のタイムラプス撮影の方が良かったと後悔しました。
 

今回持ってきた機材です。大きな望遠鏡は持ってこなかったので、セッティングは、割と楽ちんでした。
 

真性ジジイと化したアホ衛門です。虫に刺されないようにウィンドブレーカーを着ていましたが、結局、露出していた手の指を刺されました。何故か、靴下を通過して、くるぶし辺りも虫に刺されした。これが、アホ程痒いのですわ。もう、やめてーちゅー感じです。
 
 結果なのですが、EOS 6D改カメラで撮ったものは、どうやら1個も流星が写っていないようでした。やはり、ISO1600とか3200ではダメですね。レンズはシグマの古い15mm対角魚眼F2.8を使ったのですがね・・・
 
 「HolyGrayタイムラプス撮影」をしていたものは、帰宅して確認してみると、何故か?F3.5になっていました。これは、流星の撮影には不利になってしまいます。通常のタイムラプス撮影にすれば良かったのかも知れません。しかし、後の祭りです。
 

ガスがひっきりなしに押し寄せていたので、こんなになってしまいました。とほほ。
 
 しかし「サイオニクス オーロラ プロ」の方は、標準レンズ画角なのですが、ISO感度が80万越なので、意外に写るんですね。4等級ぐらいの流星でも写る印象でしたよ。しかし、編集にはアホ程時間がかかります。等倍速で、どの時間帯に流星が飛んでいるかを確認してから、編集しないといけませんからね。つまり、実際に撮影した時間以上に時間をかけて、流星が写っているのを注意深く確認してから編集をしないとダメのですよねぇ。
 
 実は、-1,5等級位のペルセウス座流星群らしい派手な流星が2個飛んでいました。1個は痕も見えました。あれは、すごかったねぇ。でも、撮影出来ず、とーっても残念。
 
 8月12日と8月13日に「サイオニクス オーロラ プロ」で撮った流星の動画もアップします。流星が飛んだところだけカットして編集しています。(Final Cut Proにて編集。)
 

 「サイオニクス オーロラ プロ」は、ISO感度819200と、非常に高感度なので、標準レンズの画角しかないのですが、流星が意外な程良く写ります。印象としては、4等級ぐらいの流星でも写っている感じです。
 実は「サイオニクス オーロラ プロ」は、720Pの画質の動画なのですが、そのままでは、このHPにおいては、容量オーバーになってしまいますので、SD画質に落としております。(動画を入れ替えました。少しマシになったのか・・・)