自宅ベランダにセッティング。フードは協栄産業さんで購入した巻き付けフードです。補正版は、真ん中が凹んだメニスカスレンズになっています。グレゴリー式の副鏡は、その補正版の内側にアルミコートする形で作られています。
(ちなみに、ルマック式は、ここに違う曲率の副鏡をセルをつけて固定しています。研磨面も多い上、パーツが多くなり、性能は良いがコスト高になってしまいます。)
接眼部はアメリカシュミットカセグレンとは互換性がありません。ボーグのパーツで何とかなりました。赤道儀の固定は、アリ型アリ溝方式です。「アイベルさん」でアルミ板を加工してもらって、ビクセンのプレートホルダーSXを2個つけてもらいました。
ビクセンのSXP赤道儀のセットを、後ろから見ると三脚がとても貧弱なことが分かります。この望遠鏡を乗せるには荷が重すぎるなぁ。
ビクセンの延長筒を使うと、強度を保ちながら、良い感じの位置で観測や撮影が出来ます。
前の赴任地の堺市に引っ越ししてからというものの、体調不良で天体撮影がほとんど出来ておりません。それでも、ベランダから月ぐらいは撮影は出来るだろうと考えて、チャレンジしてみました。しかし、このベランダがとても狭い。TOA130Sはほぼ無理。C11もかなり苦しい。しかも、シュミットカセグレンはコントラストが悪い。像の平坦性が悪い。あーあっ、それなら、どうしてミラージュ7を手放してしまったのだろうか。ああ、笠井トレーディングが扱っているインテスマイクロ社のALTER-7(18cmルマック式マクストーフカセグレン)が欲しいよぉ。でも、価格が高くてとても買えない。(現在、会社はなくなっています。)と、悩んだあげく、購入したのが、このクラシカル・グレゴリー式の18cmマクストーフカセグレン望遠鏡でした。Made in P.R.Cと書いてあります。えっ?どこの国の商品?実は、最近は、Made in Chainaではなく、中華人民共和国の略のこの頭文字が使われ始めています。この表記にした商品は売り上げがアップしているのだそうです。
さて、どうせ、廉価版のグレゴリー式だからなぁと思っていたのですが、F15という無理のない設計もあって、意外によく見えるし、良く写るというのが感想です。初めて月を撮った時は、空の条件も結構良かったのか、ビックリするくらい良く写りました。重さも7.8kgなので、まあ、何とか気軽に?持ち運べるギリギリの範疇に入ります。なお、ミラーシフトは勿論ありますが、それは目をつぶらないと・・・以前持っていたC8ほどのミラーシフトではありませんし。
ビクセンのSXP赤道儀に乗せて、月面の拡大撮影をしている時は、それはビンビン対象物がぶれまして大変でした。これは、赤道儀、三脚の強度が原因かも知れません。三脚を固定するネジもゆるゆるの状態でしたしねぇ。でも、締め付けてもこのブレは解消できませんでした。うーむ。EM-200に乗せ換えるとびくともしませんでしたけどねぇ。
フードは合成樹脂の巻き付けフードを協栄産業大阪店さんから買って使っています。フードは絶対必要ですよね。結露防止や、迷光防止の意味においても。
メニスカス形状の補正版が何故コントラスト良いのか、笠井トレーディング社の説明から引用させていただきます。
内側に大きくカーブした補正板の形状は、迷光処理の点でも有利に働きます。平面に近い補正板を使用したシュミカセ等の場合、主鏡で反射した迷光の一部は補正板裏面で再反射して主光束に混入し、視野内のコントラストを低下させます。いっぽうマクストフ補正板の場合、主鏡で反射した迷光は補正板裏面の曲率の強い凸面に再反射して周囲に大きく拡散し、主光束に混入することは殆どありません。一般にマクストフ系望遠鏡が高コントラストであると言われるのは、この補正板の形状による迷光処理効果の貢献度が大であると言えましょう。
この手の望遠鏡は、チューブカレント(筒内気流)が収まるのに時間がかかるため、国際光器から買ったスコープ・クーラーを使っています。しかし、この価格でこの性能の望遠鏡を出されたら、つぶれる会社も出てきますよねぇ。
ちなみに、接眼部はアメリカ製シュミットカセグレンのものとは互換性がありません。でも、ボーグのパーツで使えるようになってホッとしました。
シュミットさんから副鏡の遮蔽に関するデータが公開されていました。
・副鏡遮蔽直径:約43㎜
・副鏡遮蔽率(面積):約5%
・副鏡遮蔽率(直径):約23%
F15ですから、遮蔽率は小さくなっていますよねぇ。これにより見え方が良くなるのです。
この望遠鏡で撮った月です。シュミットカセグレンとは異なり、像が平坦ですし、像が結構鋭いです。
ちなみに余談ですが、昔、ツァイスから18cmメニスカスカセグレンが発売されていました。一見グレゴリー式のマクカセと思いきや、ルマック式の物だったようです。アホほど高価な機材でした。しかし、ある観望会で、天候不順のため仕方なく風景を見たのですが、ビクセンのフローライト屈折望遠鏡の方が見え方が良いように感じました。対象物によってはこんな感想になってしまうのかもしれません。