自宅マンションのベランダで撮ったGF50フル装備(残念ながら、既に製造終了だそうです。)
レボルビング装置 RR-110は、ちょっと慣れが必要です。
このポタ赤は、ウォームホイル径は小さいのですが、トルクのあるモーターに変えてあります。従って、ガイド精度が高くなっています。また、極軸望遠鏡が外付けながら、K-ASTECさんで、調整してがっちり固定しあります。このクラスのポタ赤の中では、一番の精度で極軸が合わせられると思います。
これは、レボルビング装置 RR-110を使わずに、ジッツォのオフセンターボール雲台GH2750を直付けしたものです。
ほぼ 上記の直付けの形でテスト撮影をしました。(GF50本体にジッツォのオフセンターボール自由雲台を直付け、EOS6Dノーマル、レンズはタムロンのAF28〜300mmスタビライザー付の300mm、露出5分。中心部をピクセル等倍で切り抜き。)このズームレンズは、35mmフルサイズのデジイチでの撮影したこともあり、周辺では星像がかなり変形するほど歪みます。しかし、この簡単な装置で300mmを、少しガイドエラーがあるものの、そこそこガイド出来るのはすごいことです。高橋のスカイポートを改造して作られた機材ですが、トルクのあるモーターに変えてある点や、構造的にも強度が高まっていることが功を奏したのだと思います。ちょっとした望遠レンズ程度ならほぼ完全にガイド出来そうです。
遠征用ポタ赤と銘打ったポタ赤です。K-ASTECの製品です。本体は高橋製作所のスカイポートを(ないしはスカイパトロール。つーか同じ物ですねぇ。)利用、改造したものです。従いまして、ウォームホイルの大きさも、ギア数も小さいものです。しかし、ケンコーの極軸望遠鏡は外付けながらがっちり固定してあります。また、モーターもトルクのある物に変えてあります。ここが一番のポイントですねぇ。私も、スカイポートで良い結果が出ていないのは、モーターのトルク不足だと思っていましたからねぇ。ピリオディックモーションは、代表の川野氏によると実際の平均をとって±15秒だそうです。ポタ赤では結構優秀なデーターだと思います。
余談ですが、川野氏とは、私が大学時代に同じ天文同好会に入っていました。当時、川野氏は社会人で、私は貧乏学生。これを購入した協栄産業大阪店さんで、35年ぶり?に再会致しました。ほにょにょ。
写真は、高度方位調整装置 XY50、ジンバル装置、レボルビング装置 RR-110のフル装備です。フル装備だと結構な価格になってしまいます。また、そこそこ重たくなりますし、かさばってきます。
ジンバルは、3/8インチネジ一本で本体に固定するので、しっかり固定する必要性があります。また、なるべくネジが緩む方に重量がかからないようにします。(そうは言っても、出来ないことも結構ありますけどねぇ。)ジンバルはバランスが崩れにくくする物ですが、勿論、完璧にバランスが合うわけではありません。
レボルビング装置 RR-110とジンバルは、相当便利な物だろうと過大評価して購入したのですが、ちょっと癖があり慣れが必要です。何せ自由雲台とは違い、3箇所で固定する必要があるからです。固定する際には、結構動いてしますのです。使い始めた頃は、取り付け位置によってはうまく対象物を視野に入れることが出来ませんでした。「ああ、こりゃあ駄目だ。」と思っていました。それでも、何度か試行錯誤していると、まず問題なく使えるようになってきました。何でも慣れが必要なんですねぇ。ちなみに、回転にひっかかりが感じられましたので、良いのかどうか知りませんが、KURE 5-56を噴射しておきました。
本体には電源を入れると赤いパイロットランプ(LED)が点灯します。しかし、チト明るすぎるので、黒いアセテートで覆ってしまいました。電源は乾電池です。本体に直接入れるものだけでも動くらしいのですが、外付けの乾電池をプラスすることで更に安定して駆動するだそうです。私は、常時、外付けの乾電池ボックスも使用しています。(当たり前か)
高度方位調整装置 XY50は、小型ながらがっちり固定できますし、微動装置がついていますので、結構便利な物です。(しかし、どう使ったらよいかテストして確認しておく必要性があります。練習無しで使おうとしたら、結構戸惑うかも。)しかし、ポタ赤本体との固定は手で回すタイプのネジでは全くもって不安です。塗装面がツルツルだからです。現在は、六角レンチを使って締める方法にしていますので問題なしです。というか、初めから六角レンチを使うタイプにした方が良いと思います。(工具を使うという意味では、ポタ赤のメリットが少し無くなってしまうかも知れませんが。)
上は、300mm相当を10分ノーチェックガイドしたもののピクセル等倍の写真です。収差の多いズームレンズのために、縦に像が長くなっていますが、ガイド自体は問題ないようでした。二枚目に撮ったものは、わずかに流れていましたけどねぇ。
このテストから考えると、結構良い性能のポタ赤のようです。しかし、フル装備となると結構重たくなりますし、かさばってしまいます。このポタ赤は、もともと、「遠征用ポタ赤」と銘打っていることもあり、海外で日食撮影などで、小口径の望遠鏡を搭載して使うのに便利な機材だと思います。登山等に持って行く場合は、やはり、アストロトラックTT320Xが一押しになるのでしょうか。(TT320Xは、軽量であることや、精度、強度に不安がないからです。)
最近、協栄産業大阪店さんに確認したところ、この商品はやはり販売終了となっているようです。K-ASTECの商品は、こういう感じでワンロット?で販売終了になることがあるのだそうです。いろいろと事情があるんでしょうねぇ。
ついに、2015年12月に、スタンドアローンタイプのM-GENオートガイダーを取り付けてみました。ポタ赤にオートガイダー???と思われるかも知れませんが、焦点距離の長いレンズをガイドせざるを得ない時には、その効果が現れます。
ジッツォの最大荷重12kgのカーボン三脚、高度方位調整装置 XY50、K-ASTECのGF50ポタ赤本体、ジンバル装置、レボルビング装置RR-110、スタンドアローンタイプのM-GENオートガイダー(KYOEIオリジナル オートガイダーMGEN-100GSSアルカセット・・・内容はコーワの100mmレンズ付き及びアルカスイス規格プレートとクランプ付き。更にはコーワ100mmレンズを二箇所で固定するSR42(フロントバンド)も。電源は、モバイルリチウムバッテリー。これをK-ASTECの昇圧装置のSU512 USB-12Vステップアップケーブルで12Vにします。また、M-GEN専用カメラコントロールケーブルでデジイチを制御します。
おい、おい、ポタ赤にどんだけ金をかけとんのぢゃー!!しかも、結構重いぞぉー!
2006年1月2日のテスト撮影ではっきりと分かりました。このシステムでは、トップヘビーのため、カメラの構図を変える時、三脚が動く可能性があることが分かったのです。やはり、安定して撮影するには、ストーンバッグなどを活用せねば。しかし、スタンドアローンタイプでパソコン必要なし。電源も、スマフォなどのモバイルバッテリーを昇圧コードで繋げば2日間ほど稼働できるのは、すごい。ポタ赤ではオートガイドなんぞは必要ないとも思っていましたが、このシステムなら利用価値十分に有りです。
2020年8月6日に、ドノーマルのNikon D810を使って撮った銀河。鏡ヶ成で撮りました。